在宅勤務が一般化する一方で、「在宅勤務で保育園を利用するのはずるいのでは?」と不安を抱える人は少なくありません。実際には、リモート ワークであっても保育園に預けることは制度上認められており、「在宅勤務 保育園 預けられない」「在宅 ワーク 保育園 落ちる」といった声の多くは誤解に基づくものです。しかし、保育園で在宅勤務の点数の仕組みや、休職・求職時の扱い次第で結果が変わることもあります。
さらに、子どもの体調不良時には在宅勤務だと保育園のお迎えにすぐ応じるべきなのかというプレッシャーも重なり、子持ちで在宅ワークはずるいという誤った印象を持たれてしまう例も見られます。本記事では、在宅勤務で保育園を利用する際の制度の実情、点数の仕組み、誤解されやすいポイントを整理し、「ずるい」という評価が根拠のないものである理由を分かりやすく解説します。
在宅勤務で保育園ずるいと思われないための正しい知識

在宅勤務だと保育園に預けられないは誤解?
結論として、在宅勤務であっても保育園には預けられます。なぜなら、保育園の利用は「働いている(就労している)事実」が最も重視され、勤務場所が自宅かオフィスかは本質的な判断基準ではないためです。厚生労働省の保育所保育指針でも、「子育て支援として保育園の活用を認める」旨が示されています
(参考:厚生労働省「保育所保育指針」)
例えば、在宅勤務でも1日8時間勤務し、会社へ提出する勤務実績が明確であれば、自治体の審査でもフルタイム扱いとなります。実際、東京都23区の保育利用調整では「テレワーク勤務=減点」といった記載はなく、オフィス勤務と同じ区分です。
しかし、自治体によっては「勤務実態を証明できる書類(勤務日数・就労時間)」の提出が求められるケースもあります。このため、企業の就労証明書や勤務時間の規定を明確にしておくと安心です。
保育園を利用する際に在宅勤務は点数で不利になるケースとは?
在宅勤務は国の制度上「通常の就労」と同じ扱いであり、保育園の利用調整でも原則としてオフィス勤務と同等の点数が与えられます。しかし、点数の仕組みは「働く場所」ではなく、就労実態・勤務時間・雇用形態の安定性によって細かく判定されるため、在宅勤務でも状況次第では不利になるケースがあります。
不利になりやすい代表的なケースは次のとおりです。
① 扶養内や短時間勤務で稼働時間が少ない場合
多くの自治体は「週の勤務時間」を最も重視します。
例えば、
- 週30時間以上:フルタイムに相当
- 週20〜29時間:短時間扱い
- 週19時間以下:保育の必要性が弱いと判断される
扶養内勤務で週18時間程度のテレワークの場合、在宅勤務の評価ではなく「勤務時間の短さ」で点数が下がる構造です。
② 週3日以下など、稼働日数が少ない働き方
週3勤務のテレワーク世帯は、保育の必要性が低いと判断され、指数がフルタイムより大きく下がる傾向があります。
在宅勤務自体は問題ではないものの、
- 「継続した稼働があるか」
- 「安定して働き続けられるか」
が重要視されるため、日数が少ない働き方は不利になります。
例えば、フルタイム20点、短時間16点、週3勤務12点の自治体であれば、どれだけ在宅で高負荷の業務をしていても「週3日である」という事実だけで12点に固定されます。
③ 企業側の就業規定で“在宅日は勤務扱いに含まれない”ケース
企業によっては、
- 在宅日は「任意の作業日」
- 自己研鑽扱い
など、勤怠として正式に計上されない制度を採用している場合があります。
このようなケースでは、就労証明書に記載される勤務日数が減り、結果として点数が下がることがあります。
つまり「テレワークだから不利」なのではなく、企業側の勤怠ルールによって勤務実績が短縮されてしまうことが理由です。
④ 自営・フリーランスで就労証明の裏付けが弱い場合
フリーランスや個人事業主の場合、勤務時間や業務内容が自由度の高い働き方であるため、自治体は「客観的に就労している証拠」を求める傾向があります。
求められる書類の例:
- 確定申告書(収支内訳書)
- クライアントとの契約書
- 請求書・入金履歴
- 業務日誌
これらが不足していると、「実働の裏付けが弱い」と判断され、点数が下がる自治体もあります。また、所得が極端に少ない年度は「求職中扱い」に分類されるケースもあるため、注意が必要です。
⑤ 就労予定の不確定さが高い働き方
在宅勤務でも、
- プロジェクト単位の短期案件
- 契約更新が数か月ごと
- シフトが不定期
このような働き方は「継続性が不安定」と見なされ、指数が低く設定される可能性があります。
結論:在宅勤務だから不利なのではなく“勤務実態の安定性”が評価される
保育園の点数は「どこで働くか」ではなく、
- 週の労働時間
- 労働日数
- 雇用の安定性
- 就労証明の裏付け
によって決まります。
そのため、在宅勤務自体は不利にならないものの、勤務条件が不安定だったり、証明が弱かったりすると結果的に点数が下がるという仕組みです。
フリーランスの場合は特に、確定申告書や契約書を整理し、勤務の裏付けを明確に提示することが保育利用審査を有利に進めるポイントとなります。
保育園に在宅勤務がバレると言われる理由
在宅勤務が保育園に「バレる」と言われる理由は、保育士が保護者の生活スタイルに気づく場面が多いためです。しかし、バレたからといってペナルティを受けるわけではありません。
保育園に伝わりやすい要因は次のとおりです。
・服装がカジュアル(スーツではない)
・子どもが「ママ今日はおうち」と話す
・迎えの時刻が変動しやすい
・保育園の近くに自宅があり、登園後すぐ帰宅する様子が見える
例えば、登園後に家に戻る姿を偶然見られると「あ、今日は在宅なのね」と保育士が把握します。ただし、在宅勤務は法的に認められた勤務形態であり、問題視されるものではありません。
一方で、保育士側が在宅=即対応できるとは限らないと理解していない場合、「発熱ならすぐ迎えに来られますよね?」と期待されるケースがあります。こうした誤解を避けるため、「会議中はすぐ動けない場合がある」など、丁寧に伝えておくとトラブルになりにくくなります。
在宅ワークだと保育園落ちる可能性はある?
在宅ワーカーが保育園に落ちるケースはゼロではありません。ただし、その理由は「在宅だから」ではなく、点数競争で他世帯に比べて点数が低い場合です。
落ちやすい世帯の条件は次の通りです。
・シングル・共働きフルタイム世帯が多い地域
・0歳クラスが極端に激戦
・短時間勤務で点数が低い
・祖父母と同居で加点が無い地域
たとえば、東京都目黒区や港区などでは0歳クラスの競争が特に激しい傾向があり、フルタイム勤務20点でも落ちるケースがあります。逆に、地方都市では「在宅勤務でも余裕で入れる」という声が多く、地域差が大きい点が特徴です。
結局のところ、在宅勤務だから不利というより、地域の需給バランスが最優先であると理解しておくと良いでしょう。
子持ちで在宅勤務ずるいと言われがちな背景
子育て家庭の在宅勤務が「ずるい」と見られやすいのは、働き方が外から確認しにくく、負担が過小評価されやすいからです。特に以下の誤解が生まれやすい傾向があります。
・家にいる=自由時間が多いと誤解される
・通勤がない=仕事量が軽いと見られる
・家事や育児を“同時にこなせる”と想像される
しかし現実には、在宅勤務では勤務ログや成果物で厳しく管理され、成果評価の比重が高い分、責任が重くなる働き方でもあります。業務中の離席も記録される企業が多く、「ラク」という印象とは大きく異なります。
また、通勤がない代わりに仕事と育児の境界が曖昧になり、集中力の維持が難しいという研究も報告されています。保育園からの呼び出し対応も在宅家庭は早期対応を求められやすく、負担は決して軽くありません。
国のテレワーク制度や企業の評価基準も成果重視へと移行しており、「在宅=ずるい」という見方は、もはや過去の価値観と言えるでしょう。在宅勤務は保育園利用との相性が良く、家庭と仕事を両立しやすい現代的な働き方です。
在宅勤務で保育園ずるいと感じさせない預け方・働き方

働いていないママでも保育園に入れる?
現時点で仕事をしていないママでも保育園の利用は可能です。制度上、保育園は「就労している家庭限定のサービス」ではなく、保護者が保育できない状態であれば利用を認めるという仕組みで運営されています。入園の可否は自治体ごとに定められた「保育の必要性」の基準で判定され、働いていない場合でも一定の条件を満たせば入園の対象となります。
保育が必要と認められる主な事由には次のようなものがあります。
■ 求職活動中(求職利用)
自治体の多くで「求職活動中の入園」を認めています。
ただし、求職利用は**期限付き(概ね90日~120日)**で、その期間内に職を決め、就労証明を提出することが求められます。
- 期限を過ぎても就労が確認できない場合、利用継続が認められないことがある
- 求職中の指数(基準点)は低く設定される傾向がある
- 求職期間は原則延長されない自治体が多い
例えば、政令市や人口の多い自治体では「求職は最下位ランクの指数」とされることが多く、フルタイム世帯との競争では不利になりやすい特徴があります。
■ 出産準備・産後ケア目的
出産前後の家庭も「保育が必要である」と判断される場合があります。
- 妊娠後期に入り、通院が増える
- 切迫早産などで安静指示が出ている
- 産後の体調回復のため、一時的に育児が困難
自治体によっては「母親の妊娠後期(概ね妊娠8~10ヶ月)を理由とした利用」を保育指数に加点するところもあり、2人目以降の入園が比較的スムーズになることもあります。
■ 病気療養・家族の介護
働いていない場合でも、健康状態や家庭事情によって保育が必要と認められるケースがあります。
- 医師の指示に基づく自宅療養
- 持病の悪化で育児が困難
- 要介護家族の介護を主に担っている
これらは**「疾病・障害」「介護・看護」扱いとなり、就労と同等、またはそれに近い指数が付与される自治体もあります。専門職による診断書や介護認定の情報が求められる場合があり、書類の準備が重要です。
■ 就労内定で保育開始待ち(内定利用)
就職が内定している場合は、勤務開始前でも保育利用が認められやすい傾向があります。
- 内定通知書や内定日を証明する書類が必要
- 実際の勤務開始日を基準に、前後2〜3ヶ月の猶予期間を設ける自治体もある
- 企業からの証明があるため、求職よりも安定した扱いになりやすい
例えば、4月入園の選考では「4月1日付の内定書類」が点数の加点対象となり、求職より有利に働くことがあります。
■ 働いていないママの入園は“可能だが優先順位は下がる”
働いていない場合の指数(点数)は、自治体によって異なるものの、
一般的に以下のような優先順位になります。
| 状態 | 指数の傾向 | 入園のしやすさ |
|---|---|---|
| フルタイム共働き | 最上位 | 非常に入りやすい |
| 片働き+短時間勤務 | 中位 | やや不利 |
| 求職中 | 低い | 激戦区は厳しい |
| 病気療養・介護 | 就労と同等扱いもあり | 比較的入りやすい |
| 出産準備 | 中位 | 2人目以降は優遇される場合あり |
求職の指数が「12点」、フルタイム共働きが「20点」とされる例が多いものの、これは“あくまで一例”で、自治体の基準指数・調整指数は独自ルールで運用されます。人口が多い都市部では求職指数が最下位となり、「空きがなければ入れない」状況が続くこともあります。一方で、地方都市では求職でもスムーズに入園できる地域も少なくありません。
働いていないママが入園を成功させるためのポイント
専門的な視点から見ると、以下の2点が特に重要です。
① 就労予定をできるだけ明確にする
内定前でも構わないため、
「●月から在宅ワーク開始予定」
「職業訓練への申し込み済み」
など、保育の必要性を示す材料を多く準備すると指数が上がりやすくなります。
② 追加書類は早めに揃える
求職中の家庭は提出書類が多く、
・求職活動計画書
・ハローワークへの登録
・応募実績
などを求められる自治体もあります。
これらの書類が揃っていると、保育の必要性を客観的に示すことが可能です。
両親が在宅勤務で保育園に入れることはできるのか
両親がともに在宅勤務であっても、保育園の利用は問題なく認められます。国の「保育の必要性」の判断基準は“勤務の場所”ではなく、就労している時間帯に保育を担う大人が不在であるかという点に置かれており、在宅勤務も正式な労働形態として扱われています。厚生労働省の保育行政でも、自宅で働くことを理由に保育園利用が制限されることはありません。
ただし、両親が在宅勤務の場合は、次のような実務上の注意点が発生しやすく、利用開始前に理解しておくことが重要です。
① 「すぐ動ける家庭」と誤解されやすい
在宅勤務=柔軟に対応できると見られやすく、軽い発熱や咳の段階で早めに呼び出されることがあります。とくに在宅世帯は「15〜30分以内の迎え」を求められるケースが目立ちます。
② 両親在宅だと、対応力が高い家庭と判断されがち
両親が自宅にいると、園側は「どちらかが迎えに行ける」と考えることが多く、結果的に呼び出しの優先対象になることがあります。
③ 園によっては“家庭保育への協力依頼”がある
感染症拡大や保育士不足の期間に、「在宅勤務の家庭は可能な範囲で家庭保育を」と案内される園があります。あくまで協力要請であり、利用停止ではありません。
④ 点数(調整指数)は在宅勤務でも減点されない
保育点数は「労働時間・日数・雇用の継続性」で決まるため、在宅勤務だから不利になることはありません。フルタイムであれば通常勤務と同じ点数が付きます。
⑤ 事前に園へ働き方を説明しておくと安心
「会議中はすぐ対応できない」「在宅=自由ではない」など、勤務実態を伝えておくと、過度な呼び出しを避けやすくなります。
休職中だと保育園にバレるのか?
休職に入ると、基本的には保育園側に状況が伝わります。理由は、保育園利用を継続するためには自治体へ「就労証明書の更新」や「勤務状況届」の提出が求められるためで、在籍中の保護者の勤務状況が変化すれば、その情報が自治体経由で保育園にも共有される仕組みが整っているからです。つまり、休職を隠したまま保育園利用を続けることは制度上ほぼ不可能といえます。
休職が判明すると起こりやすいリスクは次の3つです。
・休職によって基準点数が下がる可能性がある
・自治体判断で「求職中」のカテゴリへ切り替わる
・求職期間満了後に利用継続が認められず、退園勧告につながることがある
保育園は、保育の必要性が高い家庭を優先して受け入れる「調整指数制度」で運用されており、休職は「保育の必要性が一時的に低くなる状態」と判断されることがあります。
例えば、多くの自治体では「フルタイム就労:20点」「短時間就労:16点」「求職中:10〜12点」のように点数が大きく変動する仕組みになっており、休職に入ると点数が下がるのはこの仕組みが原因です。
ただし、休職の理由によって扱いは大きく異なります。
◆ 正当な休職理由(産休・育休・傷病・家族の介護)
医師の診断書や会社の証明があれば「保育を継続する必要性が高い」と判断され、
- 6か月
- 3か月+更新
- 復職予定日が確定している場合はその日まで
など、自治体が定める範囲で在園が認められるケースが多くあります。
◆ 任意の休職(キャリアチェンジ・精神的休養・会社都合でない休職)
この場合は「求職扱い」へ切り替えられ、
- 原則30〜90日の期限が付与
- 期限までに復職証明が出ない場合は利用継続不可
という厳格な運用が一般的です。特に都市部では、求職の点数では継続が難しくなる例もめずらしくありません。
とはいえ、休職=即退園ではありません。自治体の制度を理解し、必要書類をきちんと準備すれば多くの場合はスムーズに継続できます。自治体によっては、休職中でも「復職予定日を提示すれば継続可」「保育の必要性が高いと判断されれば延長可」といった柔軟な運用をしている地域もあります。
保育園側も、保護者の事情を配慮してくれるケースは多いため、休職が決まった段階で園と自治体の双方に早めに相談しておくことが、継続利用の最大のポイントになります。
在宅勤務で保育園のお迎えのタイミングで困らないために
在宅勤務の家庭は、保育園から「すぐ迎えに来られる」という期待を持たれやすい点が課題です。しかし、実際には会議中や納期前で動けない日もあります。
対策としては次の方法が有効です。
・園に「会議中は対応が遅れる」旨を伝える
・緊急連絡先を複数用意する
・早退ルールを夫婦で共有する
・在宅でも定時のリズムを作り、お迎え時間を固定
例えば、大手企業のテレワーク規定では「就業時間中の私事業務は禁止」と明記されており、子どもの迎えにすぐ行けないのは当然の状況です。園の先生もその点を理解してくれることが多く、事前に意思疎通をしておくとトラブルは減ります。
参考文献・出典
・厚生労働省「児童福祉法」
この記事のポイントをまとめます。
- 在宅勤務でも保育園は通常どおり利用でき、「在宅=ずるい」という認識は制度的に誤りである
- 在宅勤務の保育点数はオフィス勤務と同等であり、就労証明があれば不利にならない
- 保育園には在宅勤務が伝わりやすいが、バレても不利益を受ける仕組みにはなっていない
- 子育て家庭の在宅勤務が「ずるい」と言われる背景には、働き方の不可視性と誤解がある
- 休職や求職に変わると点数が下がる可能性があるため、自治体への手続きが重要である
- 在宅勤務は保育園との相性が良く、家庭と仕事の両立をしやすい現代的な働き方である
総評として、在宅勤務は単に「家にいる働き方」ではなく、成果評価や勤務管理が厳格な職種も多い傾向があります。そのため、外から見える印象と実態にギャップが生まれ、「ずるい」と誤解されやすい側面があります。しかし、保育園制度は在宅勤務を正式な就労形態として認めており、適切に手続きを行えば不利になることはありません。在宅勤務と保育園の併用は、むしろ子育て家庭にとって合理的で持続性のある働き方といえます。

